背景と目的 術後創傷管理は患者の転帰を最適化する上で重要な要素であり、感染および関連する合併症のリスクを低減する可能性がある。ドレッシングの特性、選択、および交換頻度は良好な転帰を達成する上で重要な側面である。本研究の目的は、アジア太平洋地域における術後創傷管理の現在の診療内容を洞察し、臨床実践に関する有識者のミーティングレポートの潜在的影響を評価することであった。
方法:2021年7月、医療従事者を対象に、術後創傷管理における臨床実践に関するオンラインアンケートを実施した。
結果:メールを受信した1,854人のうち、1,063人がアンケートへの参加に同意した。回答者のうち最も多かったのは、中華圏(n=339、31.9%)からの参加者であった。回答者は様々な領域から参加しており、最も多かったのは外科医(n=380、35.8%)であった。使用されたドレッシングの最も一般的なカテゴリーは、フィルムおよびパッドドレッシング(n=343、32.3%)およびボーダーフォームドレッシング(n=300、28.2%)であった。最も一般的なドレッシング交換頻度は、1~2日(n=433、41%)および3~4日(n=350、32.9%)であった。ドレッシング交換の一般的な理由は、術創の確認の必要性(n=644)、ドレッシングからの滲出液漏出(n=519)および定期的交換(n=518)を含んだ。7つの理想的な術後縫合創管理におけるドレッシング特性のうち、柔軟性と吸収性が最も重要であると評価された。回答者の4分の3以上(n=822、77.3%)は、理想的な特性を持つドレッシングにより多く支払う意思があることを示した。回答者の5人に2人(n=423、39.8%)は手術部位合併症を管理していることを示した。手術部位感染(SSI)が最も多く報告された合併症であった。ミニコンセンサスミーティングレポートを読んだ後、回答者の74.1%(n=788)はドレッシング交換頻度の変更を検討することを示し、59%(n=634)は交換頻度を減らすと回答した。
結論:現在の術後縫合創管理にはかなりなギャップがある。あるべき創傷治癒の概念、患者の快適性および教育の役割は、更なる検討領域であり、現在調査中である。